デューデリジェンス(DD)とは
病院やクリニック等においても、昨今では事業承継や組織拡大を行うために、M&A(合併及び買収)が行われるケースが増えてきました。
M&Aを行うことで対象先の病院やクリニックを今後経営していくことになりますが、勢いだけで買収を進めてしまうと、統合後に想定していなかった不測の事態が起こる可能性があります。
例えば、M&Aの前段階で訴訟を抱えており、統合後に不測の損害賠償を行うことになったり、対象先にはこちらが想定していない債務が存在しており、統合後に請求されたりといった事態が考えられます。
このような不測の事態や損失が発生するリスクを避けるために、M&Aを行うに先立って、対象先の精査を行うことがあります。
このことをデューデリジェンス(以下、DDといいます。)といいます。
デューデリジェンス(DD)の種類
DDには、精査する内容によって色々な種類があり、一般的には以下のものが挙げられます。
DDの種類 | 調査内容 |
事業(ビジネス)DD | 対象先の事業の現状調査 統合後の事業状況の予測 など |
財務DD | 対象先の決算書類の妥当性 資産や債権の実在性 債務の網羅性 など |
税務DD | 税務申告書の妥当性・正当性 税務リスクの検証 など |
法務DD | 係争訴訟案件関係のリスク確認 コンプライアンス上の問題点把握 など |
DDは専門的な内容を踏まえて精査するため、種類に応じた専門家を用いて実施することが一般的です。
私たちは、会計の専門家として財務DDや税務DDを専門領域としております。
医療機関におけるデューデリジェンスの留意点
医療機関の多くは決算書類について外部監査などを受けておらず、決算書類の妥当性については慎重に把握する必要があります。
例えば、M&Aの対象先の収益や費用の計上方法が想定と異なる処理をしていれば経営成績のシミュレーションの前提を揺るがすことになります。
また一般的に、M&Aでの売買価格は貸借対照表の資産の金額や負債の金額をベースに計算されますが、対象先の「資産」として計上されている窓口未収金や固定資産などについて実際に資産価値があるのかは、決算書類の数字だけでは判断できず、現場での管理体制などを把握して判断する必要があります。
同様に「負債」についても、将来の支払予定を網羅的に決算書類に計上しているかは数字上だけでは判断がつきません。
私たちは、多くの医療機関の決算書類の作成や税務申告の作成に携わっており、その経験を生かし、多くの医療機関で問題となるところについては資源を多く割いて調査を行うことを心がけ、濃淡をつけた調査をいたします。
DDの依頼を検討されていらっしゃるなら、一度お気軽にご相談ください。